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CoffeeInfo

精製方法ガイド

コーヒーの精製(プロセッシング)方法によって、同じ産地・品種でも全く異なる風味になります。

ウォッシュド(水洗式)

Washed / Wet Process

フレーバー傾向

クリーン・明るい酸味・フローラル・繊細なフレーバー

最も一般的な精製方法の一つ。果実の風味より豆本来のテロワールが出やすく、クリーンでブライトな酸味が特徴。品質の均一性が高く、欠点豆の混入が少ない。

精製プロセス

  1. 1収穫したチェリーを水に浸け浮いた不良品を除去
  2. 2果皮・果肉を機械で除去(パルピング)
  3. 3水槽で12〜72時間発酵し残った粘液を分解
  4. 4水で洗浄してパーチメントを乾燥(2〜4週間)
  5. 5脱穀・精製してグリーンビーンズに

主な産地

エチオピア(ウォッシュド)ケニアコロンビアルワンダコスタリカ

大量の水を使用するため、環境負荷が高い点が課題。近年は水使用量を減らす「エコウォッシュド」も広まっている。

ナチュラル(乾燥式)

Natural / Dry Process

フレーバー傾向

フルーティ・ワイン・ベリー・甘み・複雑な発酵感

最古の精製方法。チェリーのまま乾燥させることで、果実の糖分や風味が豆に染み込む。ワインのような発酵感とフルーティな甘みが特徴。

精製プロセス

  1. 1収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥台に広げる
  2. 2直射日光の下で3〜6週間乾燥させながら発酵
  3. 3定期的に攪拌して均一に乾燥
  4. 4乾燥後に脱穀して果皮・パーチメントを除去
  5. 5グリーンビーンズに精製

主な産地

エチオピア(ナチュラル)ブラジルイエメンインドネシア(一部)

水を使わないため乾燥地域に適している。ただし管理が難しく、過発酵のリスクがある。生産者のスキルによって品質が大きく左右される。

ハニープロセス

Honey Process

フレーバー傾向

甘み・ねっとりとした口当たり・フルーティ・軽い発酵感

ウォッシュドとナチュラルの中間。ミューシレージの残量によってホワイト(少)→ブラック(多)と風味が変わる。名前の通り蜂蜜のような甘みが特徴。

精製プロセス

  1. 1収穫したチェリーの果皮・果肉を除去(パルピング)
  2. 2ミューシレージ(粘液)を一部または全部残したまま乾燥
  3. 3乾燥の程度でホワイト・イエロー・レッド・ブラックに分類
  4. 42〜4週間かけて乾燥
  5. 5脱穀・精製してグリーンビーンズに

主な産地

コスタリカエルサルバドルパナマコロンビア(一部)

ミューシレージが多いほど発酵感と甘みが強くなる(レッド・ブラックハニー)。少ないとウォッシュドに近いクリーンさになる(ホワイトハニー)。

スマトラ式(ウェットハルド)

Wet-Hulled / Giling Basah

フレーバー傾向

アーシー・スパイシー・重いボディ・チョコレート・ハーブ・低酸味

インドネシア独自の精製方法。高温多湿の気候に対応するため、半乾燥状態で脱穀する独特のプロセス。豆は青緑色になり、アーシーで重厚な風味が生まれる。

精製プロセス

  1. 1果皮・果肉を除去後、ミューシレージを付けたまま一晩発酵
  2. 2翌日、水で洗い流し半乾燥状態のまま脱穀(通常は乾燥後に行う工程を早める)
  3. 3青緑色のまま1〜2日追加乾燥
  4. 4最終的な水分含量12〜13%まで乾燥
  5. 5輸出前に再選別

主な産地

インドネシア(スマトラ・スラウェシ・フローレス)

マンデリンやトラジャコーヒーはこの方法で処理される。酸味が少なくボディが重いため、エスプレッソブレンドにも使われる。

アナエロビック(嫌気性発酵)

Anaerobic Fermentation

フレーバー傾向

ワイン・フェルメンテーション・トロピカルフルーツ・複雑・個性的

近年スペシャルティコーヒー業界で急速に普及した実験的な精製方法。密閉タンク内で酸素を排除して発酵を促進。通常の精製では得られない複雑でユニークな風味が生まれる。

精製プロセス

  1. 1収穫したチェリーを密閉タンクに入れる
  2. 2酸素を排除した状態で12〜200時間発酵
  3. 3発酵中のCO2を排気バルブで放出
  4. 4ウォッシュド・ナチュラル・ハニーのいずれかで乾燥
  5. 5精製してグリーンビーンズに

主な産地

パナマコロンビアコスタリカエチオピア(実験的)

発酵時間・温度・チェリーの状態によって風味が大きく変わる。過剰発酵になるとビネガー(酢)臭が出ることも。好みが分かれる最先端の精製方法。